好きな時間に好きな場所で働ける自由さから、Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーという働き方に興味を持つ方が増えています。しかし、登録手続きを進めるにあたり、「家族の名義でも登録できる?」「結婚して名前が変わったらどうすればいい?」といった名義に関する疑問を持つ方も少なくありません。
結論から言うと、Uber Eats配達パートナーは、いかなる理由があっても家族や他人の名義で登録・活動することはできません。
この記事では、なぜ本名での登録が必須なのか、名義変更は可能なのか、そして配達パートナーが知っておくべき法的な立ち位置について、公式情報や規約を基に詳しく解説します。安全に、そして安心して活動を始めるために、ぜひ最後までお読みください。
Uber Eats配達パートナーの登録名義に関する基本ルール
Uber Eatsのプラットフォームの信頼性と安全性を維持するため、配達パートナーの登録情報には厳格なルールが設けられています。特に名義に関しては、一切の例外なく本人であることが求められます。
原則:本名での登録が必須
Uber Eatsの配達パートナーとして登録する際、必ず公的な身分証明書と一致する本名(実名)を使用しなければなりません。これは、Uberの利用規約で明確に定められています。アカウント名は、身分証明書に記載されている実名をローマ字で入力することが推奨されています。
登録時には、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの本人確認書類の提出が求められます。Uberはこれらの書類と登録情報が一致しているかを確認し、本人確認を行うことで、プラットフォーム全体の安全性を確保しています。
銀行口座も本人名義のみ
配達で得た報酬を受け取るための銀行口座も、必ず配達パートナー本人の名義である必要があります。家族名義や屋号付きの口座など、登録名義と異なる口座は使用できません。
Uberは、登録された銀行口座が本人のものであることを確認するため、キャッシュカードの写真のアップロードを求めることがあります。これにより、報酬が正しく本人に支払われることを保証しています。
家族や他人の名義貸し・アカウント共有は禁止
Uberのコミュニティガイドラインでは、登録者本人以外がアカウントを使用して配達を行うこと(アカウントの共有)を固く禁じています。これは「なりすまし」行為と見なされ、発覚した場合はアカウントが永久に停止されるなど、厳しい措置が取られます。
「乗客、マーチャント、荷送人、 Uber Eats ユーザーおよび配送受取人がドライバーまたは配達パートナーの代わりに運転することはできません。」
たとえ家族であっても、他人のアカウントで配達することは規約違反です。必ずご自身の名前でアカウントを作成し、活動してください。
配達パートナーの登録名を変更したい場合の手続き
一度登録した名前を変更することは、原則として簡単ではありません。しかし、法的な理由で氏名が変更になった場合は、適切な手続きを踏むことで対応が可能です。
原則として登録後の氏名変更は不可
アカウントに登録された氏名は、提出された本人確認書類と紐づけられた重要な情報です。そのため、単なる気分やニックネームへの変更といった理由で氏名を変更することはできません。
また、プロフィール写真も同様に、一度承認されると原則として変更は認められていません。これは、注文者やレストランが配達パートナーを正しく認識し、安全性を確保するための措置です。
結婚など法的な氏名変更があった場合
結婚や養子縁組など、法的に氏名が変更された場合は例外です。この場合、Uberのサポートに連絡し、氏名変更が証明できる公的な書類(新しい氏名が記載された戸籍謄本や運転免許証など)を提出することで、アカウント情報の更新を依頼することができます。
乗客用アカウントと配達パートナーアカウントの両方を持っている場合、自分で名前を編集することはできず、Uberに連絡して両方のアカウントを更新してもらう必要があります。
なぜ家族名義での登録はできないのか?その理由とリスク
「家族の誰かが登録して、代わりに自分が配達すれば問題ないのでは?」と考えるかもしれませんが、これには複数の重大なリスクが伴います。Uberが本人名義での登録を徹底しているのには、明確な理由があります。
法的・税務上の責任問題
Uber Eatsの配達パートナーは、Uberに雇用されている従業員ではなく、独立した「個人事業主」として業務を請け負う立場です。
これは、得た収入に対する納税義務が、登録者本人に発生することを意味します。もし家族名義で活動した場合、収入は名義人である家族のものとして計上されます。実際に配達している人と納税者が異なるという歪んだ状態になり、確定申告の際に深刻な問題を引き起こす可能性があります。
事故やトラブル発生時の本人確認
万が一、配達中に交通事故に遭ったり、お客様との間でトラブルが発生したりした場合、身元の確認が極めて重要になります。警察や保険会社への対応、あるいはUberへの報告において、活動している人物とアカウント情報が異なると、本人確認ができず、保険の適用が受けられなかったり、事態が複雑化したりする恐れがあります。
アカウント永久停止のリスク
前述の通り、名義貸しやアカウント共有はUberの規約における重大な違反行為です。発覚した場合、そのアカウントは即座に、そして永久に停止(BAN)される可能性が非常に高いです。
一度アカウントが停止されると、同じ情報での再登録はできなくなります。軽い気持ちで行った行為が、将来的にUber Eatsで働けなくなるという深刻な結果を招くことを理解しておく必要があります。
Uber Eats配達パートナーと「個人事業主」の関係
配達パートナーとして活動するということは、個人事業主として働くということです。この点を理解しておくことは、税金や社会的な責任を考える上で非常に重要です。
配達パートナーは個人事業主
個人事業主とは、会社などの組織に属さず、個人で事業を営む人のことです。Uber Eats配達パートナーは、Uberから配達業務を委託される形で、自らの裁量で仕事を行います。そのため、税法上は「事業所得」を得る個人事業主と見なされます。
開業届の提出は必要?
個人事業主として事業を開始した場合、原則として管轄の税務署に「開業届」を提出する必要があります。これは法律上の義務ですが、提出しなくても罰則はありません。
しかし、開業届を提出し、青色申告の承認申請を行うことで、最大65万円の特別控除が受けられるなど、大きな節税メリットがあります。特に専業で活動する方は、提出を強くお勧めします。
なお、会社員などが副業で配達を行う場合、年間の所得(収入から経費を引いた額)が20万円以下であれば、確定申告は不要です。この場合、開業届の提出も必須ではありません。
よくある質問(FAQ)
最後に、名義やアカウントに関するよくある質問にお答えします。
注文者としてなら偽名を使えますか?
はい、注文者としてUber Eatsを利用する場合は、偽名やニックネームでの登録が可能です。特に一人暮らしの女性などは、防犯上の理由から本名以外の名前で登録し、「置き配」を利用することが推奨されています。 ただし、配達パートナーがスムーズに配達できるよう、届け先住所は正確に入力する必要があります。
アカウントを削除して、家族名義で再登録できますか?
いいえ、できません。まず、前述の通り家族名義での登録は規約違反です。さらに、Uber Eatsの配達パートナーアカウントを一度削除すると、その手続きは不可逆的であり、同じ個人情報での再登録はできなくなります。 「しばらく休みたい」という場合は、アカウントを削除せず、アプリを使わない(休止する)という選択が賢明です。
登録で問題が発生した場合の問い合わせ先は?
登録情報の入力ミスや書類審査が進まないなどの問題が発生した場合は、配達パートナー専用アプリ(Uber Driverアプリ)内のヘルプセクションからサポートに問い合わせることができます。以前は電話窓口がありましたが、現在は休止または発信専用となっていることが多く、アプリ経由での問い合わせが基本となります。
まとめ:正しい情報で安全に配達パートナーを始めよう
今回は、Uber Eats配達パートナーの登録名義に関するルールを解説しました。重要なポイントをもう一度おさらいします。
- 登録は本名のみ:公的身分証明書と一致する実名での登録が必須です。
- 家族名義・名義貸しは厳禁:いかなる理由があっても、他人名義での活動は重大な規約違反であり、アカウント停止のリスクがあります。
- 銀行口座も本人名義:報酬を受け取る口座も、必ず本人のものでなければなりません。
- 氏名変更は原則不可:法的な氏名変更があった場合のみ、サポートへの連絡と証明書類の提出で対応可能です。
- あなたは個人事業主:配達パートナーは従業員ではなく、税務上の責任を負う個人事業主です。
ルールを正しく理解し、遵守することは、ご自身の安全を守り、長期的に安定して活動を続けるための第一歩です。この記事が、あなたのUber Eats配達パートナーとしてのスタートを後押しできれば幸いです。