Uber Eats（ウーバーイーツ）の配達パートナー登録は、オンラインで手軽に始められる反面、「登録がうまくいかない」「審査が進まない」といったトラブルに直面する方も少なくありません。この記事では、登録できない主な原因を7つのカテゴリーに分類し、書類の準備からシステムエラーへの対処法まで、具体的な解決策を網羅的に解説します。これから登録する方、そして登録の途中でつまずいている方は、ぜひ参考にしてください。
登録プロセスの全体像と所要時間
Uber Eatsの配達パートナー登録は、基本的にすべてオンラインで完結します。まず、全体の流れと一般的な所要時間を把握しておきましょう。自分がどの段階で止まっているかを確認するのに役立ちます。
- アカウント作成：公式サイトまたは「Uber Driver」アプリから、メールアドレス、氏名、電話番号などを入力してアカウントを作成します。
- 配達方法の選択と書類のアップロード：自転車、原付バイク、軽自動車など、使用する配達車両を選択し、それに応じた必要書類（身分証明書、運転免許証など）とプロフィール写真をアップロードします。
- 銀行口座の登録：報酬を受け取るための銀行口座情報を入力し、キャッシュカードの写真をアップロードします。
- 交通安全クイズの受講：交通ルールに関するオンラインクイズに回答します。（一部地域やタイミングでは不要な場合もあります）
- アカウントの有効化：すべての書類審査とバックグラウンドチェックが完了すると、アカウントが有効化され、配達を開始できる状態になります。
公式サイトでは書類提出から承認まで最大72時間、その後アカウントが有効化されるまでさらに最大72時間かかると案内されていますが、実際にはスムーズに進めば数日から1週間程度で完了することが多いようです。しかし、書類の不備やその他の問題があると、2〜3週間以上かかるケースもあります。
登録できない7つの主な原因と具体的な対処法
登録プロセスが滞る原因は多岐にわたりますが、その多くはいくつかのパターンに集約されます。ここでは、特に頻度の高い7つの原因と、それぞれの具体的な対処法を詳しく見ていきましょう。
原因1：アカウント情報の不備
最も基本的ですが、意外と見落としがちなのがアカウント作成時の入力ミスです。
- 既に使用済みのメールアドレス・電話番号：過去にUberの乗車用アプリや他のサービスで登録した情報を、配達パートナー用アカウントで再度使おうとするとエラーになります。Uberのサービスは一つのアカウントで管理されているためです。
【対処法】注文用アプリで使っているものとは別のアドレスで登録するか、既存のアカウントでログインを試みてください。 - 入力情報のタイプミス：メールアドレスの「.com」を「.con」と入力したり、電話番号の桁が間違っていたりする単純なミスも原因となります。
【対処法】入力した情報を一文字ずつ慎重に確認しましょう。特に海外からのSMS認証が必要な場合があるため、電話番号は正確に入力する必要があります。
原因2：書類のアップロード問題
登録できない原因として最も多いのが、この書類アップロードに関するトラブルです。審査は主にAIによって自動で行われるため、少しの不備でも承認されないことがあります。
写真の品質が低い
アップロードした写真が原因で承認されない場合、以下のような問題が考えられます。
- ピントが合っておらず、文字や顔写真が読めない
- 写真が暗すぎる、または光が反射して情報が見えない
- 書類の四隅がフレームから切れてしまっている
- 原本ではなくコピーや画面キャプチャを撮影している
【対処法】明るい場所で、書類を平らな机の上に置き、真上から撮影しましょう。スマートフォンのカメラの自動フォーカス機能を使い、影や光の反射が入らないように注意してください。書類全体がはっきりと写るようにすることが重要です。
必要書類の不一致・不足
登録する配達車両によって必要な書類は異なります。例えば、「自転車」で登録するつもりが誤って「原付バイク」を選択してしまい、求められる書類（運転免許証など）を提出できずに止まってしまうケースです。
【対処法】自分が登録しようとしている配達方法に必要な書類を、後述ので再確認し、正しいものをアップロードしてください。特に125ccを超えるバイクや軽自動車は、自家用ではなく事業用のナンバープレート（黒ナンバーや緑ナンバー）が必要となるため注意が必要です。
登録情報と書類の名義不一致
Uber Eatsに登録した氏名と、提出した身分証明書や銀行口座の名義が完全に一致している必要があります。例えば、結婚などで姓が変更になったにもかかわらず、古い姓のままで登録を進めようとするとエラーになります。
【対処法】Uber Eatsのアカウント名を、身分証明書や銀行口座の名義と一字一句同じものに修正してください。運転免許証の場合、裏面に新しい氏名が記載されていれば、表と裏の両面を1枚の画像に合成してアップロードする必要があります。
原因3：銀行口座登録のエラー
報酬の受け取りに不可欠な銀行口座の登録も、エラーが発生しやすいポイントです。
口座名義の不一致
前述の通り、Uberアカウントの登録名と銀行口座の名義（カタカナ）は完全に一致している必要があります。ニックネームや旧姓での登録はエラーの原因です。
【対処法】銀行口座の登録画面では、氏名の入力順序にも注意が必要です。一般的に、ローマ字表記は「名→姓（例: Taro Yamada）」、カタカナ表記は「姓→名（例: ヤマダ タロウ）」の順で入力します。
非対応の金融機関
Uberからの報酬は海外送金扱いとなるため、一部の金融機関は利用できません。以下の金融機関は登録できない、またはトラブルが多いと報告されています。
- 信用金庫、信用組合
- 農協（JAバンク）、漁協（JFマリンバンク）
- 労働金庫（ろうきん）
- ゆうちょ銀行（一部で問題報告あり）
- 一部のネット銀行
【対処法】三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのメガバンクは、Uberが推奨しており、トラブルが少ないとされています。これらの銀行口座を持っていない場合は、この機会に開設を検討するのも一つの手です。
キャッシュカード写真の承認問題
2021年頃から、本人確認強化のためキャッシュカードの写真提出が必須となりました。この写真の承認でつまずくケースが非常に多いです。
【対処法】AIによる画像認識をクリアするため、キャッシュカードを真上からではなく、少し傾けて（約45度）撮影するのがコツです。これにより、カードの厚みが認識され、加工された画像ではないと判断されやすくなります。口座名義、口座番号、銀行名がはっきりと読めるように撮影してください。
原因4：交通安全クイズの未完了・未達
登録プロセスの終盤に、交通安全に関するクイズの受講が求められます。このクイズの案内メールを見逃していたり、受講を忘れていたりすると、アカウントが有効化されません。
【対処法】登録したメールアドレスの受信トレイだけでなく、迷惑メールフォルダも確認してください。クイズは全7問で、自転車の交通ルールに関する内容が中心です。万が一間違えても、正解を確認した上で再提出が可能なので、落ち着いて回答しましょう。なお、クイズが必要ないエリアもあるため、案内が来ない場合はそのまま待機して問題ありません。
原因5：外国籍の方特有の登録要件
外国籍の方が登録する場合、日本での就労資格が厳しくチェックされます。特に2021年8月25日以降、一部の在留資格を持つ方の新規登録が停止されるなど、ルールが変更されています。
- 登録可能な在留資格：「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」「特別永住者」など、就労に制限のない在留資格が必要です。ワーキングホリデー（特定活動）も登録可能です。
- 新規登録が停止されている在留資格：「留学」や就労時間に制限のある「特定活動」などの在留資格では、現在新規の配達パートナー登録はできません。これは不法就労防止のための措置です。
【対処法】ご自身の在留カードを確認し、Uber Eatsが定める登録可能な在留資格に該当するかを事前に確認してください。必要な書類（在留カードの両面、パスポートなど）も複雑なため、公式サイトの指示をよく読んで準備することが重要です。
原因6：車両登録・変更・追加のトラブル
配達に使用する車両の登録で問題が発生することもあります。特に、2台目の車両を追加したり、既存の車両情報を変更したりする際に注意が必要です。
- 異なる種類の車両は追加できない：Uber Eatsでは、原則として1台目と同じ種類の車両しか追加登録できません。例えば、1台目がバイクの場合、2台目として軽自動車を登録することはできず、一度サポートに連絡して登録情報を変更する必要があります。
- 登録されていない車両での配達は厳禁：車両の変更・追加申請後、審査が完了する前に新しい車両で配達を行うことはコミュニティガイドライン違反となり、アカウント停止のリスクがあります。お店や注文者も、アプリの表示と違う車両で配達員が来ると混乱します。
【対処法】車両の追加や変更は、Uber Driverアプリの「アカウント」→「車両」から行います。申請後は、審査が完了し、アプリ上で車両が正式に登録されたことを確認してから配達を開始してください。
原因7：Uber側のシステム問題・審査遅延
すべての情報を正しく入力し、書類も完璧に提出したにもかかわらず、審査が全く進まないことがあります。これはUber側のシステム的な不具合や、バックグラウンドチェック（経歴調査）に時間がかかっていることが原因である可能性があります。
【対処法】まずは標準的な審査期間である1〜2週間は待ってみましょう。それでも進展がない場合は、システム上で承認済みにもかかわらずステータスが更新されていないだけの可能性もあります。この場合は、後述する方法でサポートに問い合わせるのが最も確実な解決策です。実際に「問い合わせたら即日アカウントが有効化された」という事例も多数報告されています。
【配達方法別】必要書類チェックリスト
登録をスムーズに進めるためには、配達方法に応じた正しい書類を事前に準備しておくことが不可欠です。以下の表で、ご自身の配達方法に必要な書類を確認してください。
| 配達方法 | 必要な書類 |
|---|---|
| 自転車・徒歩 |
|
| 原付バイク (125cc以下) |
|
| 軽二輪車 (125cc超～250cc以下) |
|
| 軽自動車 (軽貨物) / 小型二輪車 (250cc超) |
|
※外国籍の方は、上記に加えて在留資格に応じた追加書類（在留カード、パスポート等）が必要です。
それでも解決しない場合：サポートへの問い合わせ方法
上記の対処法をすべて試しても問題が解決しない場合は、Uber Eatsのサポートに直接問い合わせましょう。現在、パートナーセンターは営業を休止しているため、問い合わせはオンラインまたは電話で行います。
- アプリ内のヘルプ機能（推奨）：最も確実で記録が残る方法です。
- 「Uber Driver」アプリを開き、左上のメニュー（三本線）をタップします。
- 「ヘルプ」を選択します。
- 「アカウントとアプリの問題」→「アカウントを作成できない」など、状況に近い項目を選びます。
- チャットまたはメッセージで問い合わせができます。
- 電話サポート：緊急性の高い問題に対応しています。ただし、登録に関する問い合わせはアプリ経由が推奨されることが多いです。電話番号はアプリのヘルプセクション内で確認できます。
問い合わせる際は、「登録しているメールアドレス」「氏名」「電話番号」、そして「どの画面で、どのようなエラーメッセージが表示されているか」「いつから問題が発生しているか」といった具体的な状況をスクリーンショットなどを添えて伝えると、スムーズな解決につながります。
まとめ：焦らず、一つずつ原因を確認しよう
Uber Eatsの配達パートナー登録ができない場合、その原因の多くは「書類の不備」「入力情報のミス」「システム上の仕様」のいずれかに起因します。審査が進まないと焦ってしまいますが、まずは本記事で紹介した原因と対処法を参考に、ご自身の状況を一つずつ冷静に確認してみてください。
- 書類の写真：明るく、鮮明で、四隅が切れていないか？
- 登録情報：氏名や住所は、提出書類と完全に一致しているか？
- 銀行口座：対応可能な金融機関か？名義は正しいか？
- 審査期間：登録から十分な時間（1〜2週間）が経過したか？
多くの場合、これらのセルフチェックと修正で問題は解決します。それでも解決しない場合は、最終手段としてサポートに問い合わせることで、止まっていたプロセスが動き出す可能性が高いです。諦めずに、着実にステップを進めていきましょう。
