「配達できませんでした」の不安を解消
楽しみにしていた料理が届かず、Uber Eatsのアプリに「配達できませんでした」という無情な通知。この瞬間、「支払ったお金はどうなるの？」「なぜ届かなかったの？」といった不安や疑問が頭をよぎる方は少なくないでしょう。便利なフードデリバリーサービスだからこそ、トラブルが起きたときの対応は気になるところです。
この記事では、Uber Eatsで注文が配達されなかった場合の返金条件、原因、そして具体的な対処法について、公式利用規約や実際の事例を基に徹底的に解説します。この記事を読めば、万が一の事態にも冷静に対処できるようになり、安心してサービスを利用するための知識が身につきます。
なぜ配達されない？考えられる3つの原因
「配達できませんでした」という結果に至る原因は、一つではありません。大きく分けて「注文者側」「Uber Eats側（店舗・配達パートナー）」「システム側」の3つの要因が考えられます。
原因1：注文者側の不備
意外に多いのが、注文者側の情報入力ミスや受け取り時の問題です。配達パートナーは指定された情報に基づいて配達するため、情報が不正確だと商品を届けられません。
- 住所の入力ミス：番地、マンション名、部屋番号の抜けや間違いは、配達不能の最も一般的な原因です。配達パートナー向けの情報サイトでも、住所不備がトラブルの主要因として挙げられています。
- 連絡が取れない：配達パートナーが住所不明などで連絡を試みても、電話に出ない、メッセージに返信しない場合、配達を完了できません。Uber Eatsの規約では、配達パートナーが配達先に到着後、10分間連絡が取れない場合は配達不能とみなされることがあります。
- 受け取り拒否や不在：注文者自身の都合で受け取りを拒否したり、指定した時間に不在だったりする場合も、当然ながら配達は失敗します。
原因2：Uber Eats側（店舗・配達パートナー）の事情
注文者側に問題がなくても、店舗や配達パートナーの段階で問題が発生することもあります。
- 配達パートナーが見つからない：悪天候や深夜、注文が殺到する時間帯などでは、配達を引き受けるパートナーが不足し、注文がキャンセルされることがあります。
- 店舗側の都合：注文した商品が品切れになったり、店舗が混雑していて調理が間に合わなかったりして、店舗側から注文がキャンセルされるケースです。
- 配達中のトラブル：配達パートナーが交通事故に遭ったり、商品を大きくこぼしてしまったりするなど、配達を続行できなくなる不測の事態も考えられます。
原因3：システム障害や需要の急増
プラットフォーム自体に問題が生じることもあります。記憶に新しいのは、2024年末から2025年始にかけて発生した大規模な配送遅延やキャンセルです。Uber Eats Japanの代表も、この問題が「需要が非常に大きく伸び、供給とのバランスが崩れたこと」が原因であったと認め、謝罪しています。また、2025年11月27日には東京エリアでアプリの不具合が報告されるなど、システム障害も配達失敗の一因となり得ます。
【最重要】返金はされる？Uber Eatsの公式ルール
最も気になる返金の可否は、配達が失敗した原因によって明確に分かれます。ここではUber Eatsの利用規約を基に、そのルールを解説します。
原則：Uber Eats側の都合なら返金される
結論から言うと、注文者に起因しない理由で配達がキャンセルされた場合、原則として全額返金されます。
Uber Eatsの利用規約には、以下のように明記されています。
Eats JPが貴殿に起因しない理由により配送サービスを取り消した場合、貴殿は、支払った金額の返金を受けることができます。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
- 配達パートナーが見つからずに注文が自動的にキャンセルされた。
- 店舗の都合（品切れなど）で注文がキャンセルされた。
- システムの不具合で注文が正常に処理されなかった。
これらの場合、特別な手続きをしなくても自動的に返金処理が進むのが一般的です。返金は、注文時に使用した支払い方法（クレジットカード、PayPay残高など）に対して行われます。
注意：注文者都合の場合は返金されない
一方で、配達不能の原因が注文者側にある場合は、料金が全額請求され、返金は行われません。これも利用規約に定められています。
配送サービスが貴殿に起因する理由により履行されなかった場合（例えば、Uber Eatsサービスにおいて商品が貴殿に配送された時に貴殿が応答しなかった等）、貴殿は、配送サービス及び商品（適用がある場合）双方について全額の請求を受ける場合があります。
特に注意が必要なのが、前述した「配達先に到着後10分間連絡が取れない」ケースです。住所間違いや電話に出られないなどの理由で配達パートナーが10分間待機しても受け渡しができない場合、配達パートナーは配達を完了（キャンセル）する権利を持ち、注文者には返金されません。これは、配達パートナーの時間を不当に拘束しないためのルールでもあります。
トラブル発生！具体的な対処フロー
実際に「配達できませんでした」と表示されたら、以下の手順で冷静に対応しましょう。
Step 1：アプリで注文状況とキャンセル理由を確認する
まずはUber Eatsアプリを開き、何が起きたのかを確認します。
- アプリ下部のメニューから「注文履歴」をタップします。
- 該当する注文を選択し、詳細画面を開きます。
- 多くの場合、ここに「店舗によってキャンセルされました」「配達パートナーが見つかりませんでした」といったキャンセル理由が表示されます。
この情報をスクリーンショットで保存しておくと、後でサポートに問い合わせる際に役立ちます。
Step 2：返金処理の状況を確認する
Uber Eats側の都合によるキャンセルの場合、返金は自動的に行われます。注文履歴の詳細画面で「返金済み」などのステータスが確認できることがあります。また、登録しているメールアドレスに返金処理の通知が届く場合もあります。
Step 3：納得できない場合はサポートに問い合わせる
「自分に非はないはずなのに返金されない」「理由が不明確で納得できない」といった場合は、アプリ内のヘルプ機能からサポートに問い合わせましょう。
- アプリの「注文履歴」から該当の注文を選び、「ヘルプ」をタップします。
- 「過去の注文と返金」などの項目から、状況に最も近い問題（例：「注文した商品が届かなかった」）を選択します。
- 詳細を記述する欄に、注文番号、発生日時、具体的な状況を簡潔かつ正確に入力します。保存しておいたスクリーンショットを添付すると、よりスムーズに状況が伝わります。
サポートからの返信には数時間から1日程度かかることが多いです。焦らずに待ちましょう。電話での問い合わせは基本的に受け付けていないため、アプリからの連絡が主な手段となります。
返金にかかる時間と注意点
返金が承認された後、実際に手元にお金が戻るまでの時間は、利用した決済方法によって異なります。
- クレジットカード：最も時間がかかるケースが多く、数日から1週間、カード会社の締め日によっては最長で2週間程度かかることもあります。明細上では一度請求が上がった後に、同額がマイナスされる形で処理されるのが一般的です。
- PayPay：比較的早く、数分から数時間でPayPay残高に返金されることが多いです。ただし、システム状況によっては数日かかる場合もあります。返金は銀行口座ではなく、PayPay残高に戻る点に注意が必要です。
- デビットカード：即時〜数営業日で口座に返金されることが多いですが、カード発行会社によって異なります。
もし7営業日を過ぎても返金が確認できない場合は、再度Uber Eatsのサポートに問い合わせるか、利用している決済サービス（クレジットカード会社など）に直接確認してみましょう。
配達パートナー側の仕組み：「10分タイマー」とは？
注文者都合で配達がキャンセルされる背景には、配達パートナーが使用する「10分タイマー」という仕組みが大きく関わっています。これは、配達パートナーを不必要な待ち時間から解放し、プラットフォーム全体の効率を保つための重要な機能です。
配達パートナーが配達先に到着したものの、注文者に会えない、連絡が取れないといった状況に陥った場合、以下の手順を踏みます。
- 配達パートナーはアプリを通じて注文者に電話やメッセージで連絡を試みます。
- 連絡を試みると、アプリ上で10分間のカウントダウンタイマーが作動します。
- この10分間に複数回の連絡を試みても応答がない場合、タイマーがゼロになると配達パートナーは配達を終了する権限を得ます。
- この時点で配達は「完了」扱いとなり、商品は廃棄処分となります。配達パートナーは配達報酬を受け取り、注文者には料金が請求されます。
このルールがあるため、注文者は正確な住所を伝え、配達パートナーからの連絡にすぐ応答できる状態を保つことが非常に重要です。たとえ「お風呂に入っていた」「寝てしまった」といった理由でも、このルールは適用されます。
トラブルを未然に防ぐための4つのポイント
不快な思いをせず、スムーズにUber Eatsを利用するために、注文者として以下の点を心がけましょう。
- 正確な情報を入力する：住所は建物名、部屋番号まで正確に。連絡先電話番号も間違いがないか必ず確認しましょう。特にオートロックのマンションでは、部屋番号がないと配達パートナーは中に入れません。
- アプリの通知をオンにする：配達状況や配達パートナーからの連絡をリアルタイムで受け取れるように、アプリの通知は必ずオンにしておきましょう。
- 置き配を有効活用する：手が離せない可能性がある場合は、「玄関先に置く」などの置き配指定を活用すると、直接の受け渡しが不要になりスムーズです。ただし、オートロックの建物ではエントランスの解錠が必要になるため、注意が必要です。
- ピークタイムを避ける：昼食時（12〜13時）や夕食時（18〜20時）のピークタイムは、注文が集中し配達パートナーが不足しがちです。可能であれば少し時間をずらして注文すると、トラブルのリスクを減らせます。
まとめ
Uber Eatsで「配達できませんでした」と表示された場合、その原因がUber Eats側にあれば原則として全額返金され、注文者側にあれば返金されないのが基本ルールです。万が一トラブルが発生した際は、慌てずにアプリで状況を確認し、必要であればサポートへ冷静に問い合わせることが重要です。
また、住所情報の正確な入力や、配達パートナーからの連絡にすぐ対応できるようにしておくなど、注文者側でできる予防策を講じることで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。本記事で解説した原因と対処法を理解し、より快適で安心なUber Eatsライフをお送りください。
