はじめに:軽自動車でUber Eats配達を始める魅力
好きな時間に好きなだけ働ける自由度の高さから、副業や本業として人気を集めるUber Eatsの配達パートナー。これまで配達手段は自転車やバイクが主流でしたが、近年、全国で軽自動車(軽貨物車)による配達登録が可能になり、新たな選択肢として注目されています。
軽自動車での配達は、天候に左右されにくく、長距離の配達や一度に多くの注文を運ぶ際に有利です。また、体力的な負担が少ないため、幅広い年齢層の方が活躍できるというメリットもあります。この記事では、2025年最新の情報に基づき、Uber Eatsの配達パートナーとして軽自動車を登録するための具体的な手順、必要書類、注意点を網羅的に解説します。
Uber Eatsの配達パートナーとして登録するには、18歳以上である必要があります。また、軽自動車や125ccを超えるバイクで配達を行う場合、自家用車ではなく、「貨物軽自動車運送事業」としての届出と事業用ナンバーの取得が法律で義務付けられています。
Uber Eats配達パートナー登録の6ステップ
軽自動車での登録も、基本的な流れは他の配達方法と共通です。登録はすべてオンラインで完結し、面接やオフィスへの訪問は不要です。書類に不備がなければ、最短3日ほどで配達を開始できます。
- アカウント作成:Uber公式サイトから氏名、メールアドレス、電話番号などを入力し、アカウントを作成します。(約5分)
- 必要書類のアップロード:後述する身分証明書や車両関連の書類をスマートフォンのカメラで撮影し、アップロードします。(約10分)
- 銀行口座の登録:報酬を受け取るための銀行口座情報を入力します。ゆうちょ銀行は利用できない場合があるため注意が必要です。(約5分)
- アプリのダウンロード:配達用アプリ「Uber Driver」をスマートフォンにインストールします。
- 交通安全講座の受講:書類審査完了後、アプリ内に届く案内に従い、オンラインで交通安全に関する動画視聴とクイズに回答します。(約15分)
- 配達バッグの購入:配達を開始する前に、保温・保冷機能のあるバッグを準備します。
以下の図は、登録からアカウントが有効化されるまでの一般的な流れを示しています。
軽自動車での配達登録:必要なものと初期費用
軽自動車で配達を始めるにあたり、車両本体以外にもいくつか準備すべきものがあります。初期費用を抑えつつ、スムーズに業務を開始するためのポイントを見ていきましょう。
最低初期費用
すでに軽自動車とスマートフォンを持っている場合、最低限必要となる初期費用は配達バッグの購入費のみです。Uber Eatsの公式WEBショップでは、コンパクトサイズのバッグが3,300円から販売されており、これが実質的な最低初期費用となります。
- 配達バッグ:3,300円~4,000円
- スマートフォン:所持している場合は0円
- 軽自動車:所持している場合は0円(別途、黒ナンバー取得費用や保険料がかかります)
配達バッグについて
Uber Eatsの規約上、公式バッグの使用は必須ではありません。しかし、料理の品質を保つための保温・保冷機能は不可欠です。適切なバッグを使用しない場合、お客様からの低評価につながり、最悪の場合はアカウント停止のリスクもあるため、実質的には専用バッグの購入が必要と言えるでしょう。
- 購入場所:Uber Eats公式WEBショップ
- 価格(2025年時点):通常サイズ 4,000円、コンパクトサイズ 3,300円
- 特徴:送料無料、6ヶ月の品質保証付き
【最重要】軽自動車での配達登録に必要な書類一覧
軽自動車での登録手続きで最も重要なのが、必要書類の準備です。書類は「全員必須の基本書類」「車両関連書類」、そして「2025年4月からの追加書類」の3つに大別されます。
全員必須の基本書類
これらは配達方法にかかわらず、すべての配達パートナーが提出を求められる書類です。
- プロフィール写真:顔がはっきりと確認できる、無帽・無加工の写真。証明写真の流用は不可。
- 身分証明書:以下のいずれか1点。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- キャッシュカード:報酬振込先の銀行名、口座番号、口座名義が確認できるもの。
軽自動車での配達に必要な車両関連書類
軽自動車で配達を行う場合、上記の基本書類に加えて、以下の車両関連書類が必須となります。特に、事業用の黒ナンバーと事業用の任意保険が重要なポイントです。
- 運転免許証
- ナンバープレートの写真:車両に正しく取り付けられた状態の事業用黒ナンバーの写真。ナンバープレート単体の写真は承認されません。
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)
- 任意保険または共済保険証書:自家用ではなく、事業用(営業用)の補償内容であることが必須です。被保険者名が登録者本人と一致している必要があります。
- 自動車検査証(車検証):用途が「貨物」となっているもの。電子車検証の場合は、自動車検査証記録事項と合わせて1枚の画像にして提出します。
【2025年4月〜】軽自動車での配達に追加される書類
Uberの公式発表によると、2025年4月1日以降、軽自動車で新規登録するすべての配達パートナーは、以下の書類の提出が追加で必要になります。
- 安全管理者講習修了証明書
- 適性診断票
これらの要件は、貨物自動車運送事業法に基づく安全体制の強化を目的としたものです。これから登録を検討している方は、これらの準備も念頭に置いておきましょう。
軽自動車登録の具体的な手順と注意点
書類を揃えたら、次は具体的な手続きに進みます。特に「黒ナンバーの取得」と「任意保険の切り替え」は、自家用車を事業用に転換するための重要なステップです。
手順1:事業用「黒ナンバー」を取得する
Uber Eatsで軽自動車を使って配達を行うことは「貨物軽自動車運送事業」にあたり、法律上、自家用車を示す「白地に黄文字のナンバー(通称:黄ナンバー)」ではなく、事業用車両を示す「黒地に黄文字のナンバー(通称:黒ナンバー)」の取得が義務付けられています。
- 管轄の運輸支局へ「貨物軽自動車運送事業経営届出書」などを提出します。
- 運輸支局で「事業用自動車等連絡書」を受け取ります。
- 軽自動車検査協会へ行き、車検証、連絡書、現在のナンバープレートなどを提出し、新しい黒ナンバーの交付を受けます。
この手続きにより、車両の用途が「乗用」から「貨物」に変更されます。
手順2:任意保険を「事業用」に切り替える
黒ナンバーを取得したら、次に自動車の任意保険を見直す必要があります。一般的な自家用車向けの任意保険は、業務中の事故を補償の対象外としています。そのため、必ず保険会社に連絡し、使用目的を「事業用」に変更した保険プランに切り替えなければなりません。
万が一、自家用保険のまま配達中に事故を起こした場合、保険金が支払われない可能性があります。これは配達パートナー自身にとって非常に大きなリスクとなるため、登録前に必ず保険内容を確認・変更してください。
手順3:各種書類をアップロードする際の注意点
書類のアップロードで審査落ちしないために、以下の点に注意して撮影しましょう。
- 鮮明さ:文字がはっきりと読めるように、ピントを合わせて撮影する。
- 全体像:書類の四隅すべてが画像内に収まるように撮影する。
- 無反射:光が反射して文字が見えなくならないように注意する。
- 名義の一致:すべての書類に記載された氏名が、Uber Eatsの登録アカウント名と一致していることを確認する。
- ナンバープレート:ナンバープレート単体ではなく、車両に取り付けられていることがわかるように撮影する。
手順4:車体に「事業者名」を表示する
貨物軽自動車運送事業では、車体に事業者名を表示することが推奨されています。個人事業主の場合、マグネットシートや紙に印刷したものを車体の見やすい位置に掲示する方法で対応可能です。表示例は以下の通りです。
- 田中太郎 運送
- 田中太郎 デリバリー
この対応については、国土交通省にも問題ないことが確認されています。
外国籍の方が軽自動車で登録する場合
外国籍の方がUber Eatsの配達パートナーとして登録するには、就労が認められている特定の在留資格が必要です。また、提出書類も日本国籍の方とは一部異なります。
登録可能な在留資格
Uber Eatsの配達パートナーとして登録できる主な在留資格は以下の通りです。就労制限のある「留学」や「特定活動(28時間制限あり)」、また難民申請中の方は登録できません。
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
- 特別永住者
- 特定活動(ワーキングホリデーなど、就労制限のないもの)
必要な書類
基本書類に加えて、在留資格を証明するための書類が必要です。多くの場合、コンプライアンスセンターでの現物確認が求められます。
- 身分証明書:在留カード(表裏)と、パスポートまたは運転免許証などを組み合わせたもの。
- 就労資格の証明:在留カードの裏面や指定書など、在留資格によって求められる書類が異なります。
詳細は登録手続きの最後に送られてくる案内メールや、Uberの公式サイトで必ず確認してください。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 自家用車(黄ナンバー)のまま配達できますか?
- A1. できません。報酬を得て荷物を運ぶ行為は貨物自動車運送事業法に該当するため、事業用の黒ナンバーの取得が法律で義務付けられています。自家用車での配達は違法行為(白タク行為)となります。
- Q2. すでに自転車で登録していますが、軽自動車での配達に切り替えたいです。
- A2. Uber Driverアプリのサポートから配達方法の変更を申請できます。その後、本記事で紹介した軽自動車用の必要書類を再度アップロードする必要があります。
- Q3. 軽自動車での配達はどのくらい稼げますか?
- A3. 収入は地域、時間帯、稼働時間によって大きく変動しますが、一般的に時給換算で1,500円~2,500円程度が目安とされています。一部の調査では、効率よく稼働するベテラン配達員の中には、これを上回る収入を得ている人もいます。
まとめ
Uber Eatsの配達パートナーとして軽自動車を登録することは、天候に左右されず安定して稼働したい方にとって魅力的な選択肢です。しかし、そのためには「事業用黒ナンバーの取得」と「事業用任意保険への加入」という、法律で定められた2つの重要な手続きが不可欠です。
本記事で解説した手順と必要書類を参考に、不備のないよう準備を進めましょう。特に2025年4月からは安全管理者講習などの要件も追加されるため、最新情報を常に確認することが大切です。手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つ着実にクリアすれば、快適なカーライフと両立した新しい働き方をスタートできるはずです。



